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東京高等裁判所 昭和36年(ネ)621号 判決

控訴人 鳥羽照司

控訴人(被参加人) 吉井寿雄 外三名

補助参加人 栗田忠次郎 外七名

被控訴人 朴海東

主文

本件各控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人等の負担とする。

事実

控訴人等訴訟代理人は「原判決を取り消す。被控訴人の請求を棄却する。訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴人訴訟代理人は、控訴棄却の判決を求めた。

当事者双方の事実上の陳述並びに証拠の提出、援用及び認否は、次のとおり附加、訂正するほかは原判決事実摘示と同一であるから、ここにその記載を引用する。

一  控訴人五名訴訟代理人の陳述

(一)  被控訴人がその主張の日時に本件土地の所有権を取得し賃貸人の地位を承継した事実並びに被控訴人主張の昭和二九年一二月二四日付内容証明郵便が同日控訴人鳥羽に到達した事実は認める。

(二)  原判決事実摘示のうち同判決五枚目(記録四五丁)裏二行目に「被告会社事務所」とあるは「訴外鳥羽興業株式会社事務所」に、同七枚目(記録四七丁)表五行目に「被告会社清算人」とあるは「訴外鳥羽興業株式会社清算人」にそれぞれ訂正する。

二  控訴人鳥羽を除くその余の控訴人四名訴訟代理人の陳述

(一)  控訴人林、同吉井、同松井、同金山は、昭和二二年一〇月末頃、林は本件土地のうち四五坪、吉井は三一坪、松井は二〇坪、金山は一九坪につき、控訴人鳥羽から賃借権持分の譲渡をうけ、その頃林は同地上に木造板葺平家建店舗建坪七坪五合の家屋を建築所有し、昭和二二年一二月一七日東京法務局中野出張所受付第一九四五五号をもつて保存登記をなし、吉井はその頃同地上に木造板葺平家建居宅一棟建坪十坪の家屋を建築所有し、昭和二三年九月二七日右法務局受付第一七一五〇号をもつて保存登記をなし、松井はその頃同地上に木造板葺平家建居宅一棟建坪三坪七合五勺の家屋を建築所有し、昭和二三年四月九日右法務局受付第五八九七号をもつて保存登記をなし、金山はその頃同地上に木造板葺平家建居宅一棟建坪四坪五合の家屋を建築所有し、昭和二六年一一月二一日右法務局受付第二四七五三号をもつて保存登記をなしたものである。そして、右控訴人等は前記控訴人鳥羽との賃借権持分譲渡契約に基づき、その后被控訴人主張のとおり各賃借権持分取得登記手続を了した。従つて、被控訴人が本件土地所有権を取得した当時すでに右控訴人等は被控訴人に対抗しうる賃借権を有していたものであるから、被控訴人の控訴人鳥羽に対してなした賃貸借契約解除の意思表示は控訴人林、同吉井、同松井、同金山との関係においては何等の効力を生ぜず、同控訴人等は依然として賃借権を有するものである。

(二)  仮りに、控訴人林、同吉井、同松井、同金山が控訴人鳥羽から本件土地の賃借権の譲渡を受けた時期が昭和二二年一〇月末頃でないとするなら、控訴人林は昭和三〇年一二月五日控訴人鳥羽から同人の本件土地賃借権の持分三七一分の四五の譲渡を受け、控訴人吉井は同日控訴人鳥羽から同人の本件土地賃借権の持分三七一分の三一の譲渡を受け、控訴人松井は同日控訴人鳥羽から同人の本件土地賃借権の持分三七一分の二〇の譲渡を受け、控訴人金山は同月二八日控訴人鳥羽から同人の本件土地賃借権の持分三七一分の一九の譲渡を受け、それぞれ被控訴人主張のとおりの賃借権持分取得登記を了したものである。ところで、仮りに被控訴人の控訴人鳥羽に対する賃貸借契約解除の意思表示が昭和二九年一二月二七日をもつて効果を生じたとしても、被控訴人は右控訴人四名が右賃借権持分譲受の登記をなすまでの間には右解除の事実を右控訴人四名に通知していないのは勿論、被控訴人主張のとおりすでになされている控訴人鳥羽の賃借権持分取得登記を抹消する手続をもとつていない。思うに土地賃借権も登記をしたときは物権的効力を有するものである以上、登記により取引の安全は保護されなければならない。被控訴人は控訴人鳥羽との間の賃貸借契約解除による鳥羽の賃借権持分取得登記の抹消登記手続をしていないから、控訴人林、同吉井、同松井、同金山は鳥羽の賃借権も有効に存続するものと信じて賃借権持分の譲渡を受け、且つ譲受けの登記手続を経由したものであり、右控訴人等に対する関係においては未だ賃貸借契約解除の効力を生じていないものといわなければならない。

(三)  仮りに右主張が理由ないものとするも、被控訴人が本件土地につき所有権取得登記をなした昭和二七年一一月六日頃には、控訴人林、同吉井、同松井、同金山等は控訴人鳥羽から本件土地を転借し同地上に(二)記載のとおりそれぞれ家屋を所有して地代を鳥羽に支払つていたものであり、被控訴人は右事実を十分に知悉しており、また当時被控訴人は地代を鳥羽に支払つてはならないと右控訴人等に申入れたり本件土地を右控訴人等に買取つて欲しい旨申入をなし且つ、当時右控訴人等は鳥羽に対して地代を支払うべきか或いは被控訴人に対してその支払をなすべきかを被控訴人に問合おせたりして被控訴人に対して賃料を支払うのが相当であれば何時でもこれが支払をなすべき旨を言明していたのである。このような状況並びに適法に転借権を有するに拘らず、被控訴人は昭和二九年一二月迄控訴人林、同吉井、同松井、同金山等に対し鳥羽が地代を滞納しているかどうかを何等知らしめることなく、同控訴人等不知の間に突然鳥羽に対し賃料不払を理由として契約を解除し転借人に対しては何一つ催告をなしていない本件においては被控訴人は少くとも控訴人林、同吉井、同松井、同金山等の転借人に対する関係においては賃借人鳥羽との契約解除の効果を主張することは民法第一条の信義則に反して許容されない。

(四)  更に仮定的な主張として権利濫用の抗弁を主張する。即ち、被控訴人としては、控訴人鳥羽において賃借権持分取得登記をなしている以上、鳥羽との賃貸借契約を解除した後はその結果善意の第三者に不測の損害を生ぜしめぬよう予告登記なり仮処分なりをなしもしくは何等かの方法で契約解除による賃借権の消滅を第三者に明認せしめるような措置を講じ以て右登記簿の記載を信頼して取引関係に立つ第三者に対して右解除による損害の発生を未然に防止すべき注意義務があるというべきところ、被控訴人は右注意義務を懈怠し鳥羽の賃借権持分取得登記をそのまゝ放置したため控訴人吉井、同林、同松井、同金山は全く善意で控訴人鳥羽から本件不動産賃借権持分を買受けてその旨取得登記を了したものである。従つて右控訴人林、同松井、同吉井、同金山がいずれも本件土地賃借権持分を取得しえないものとすれば、同人等は各その譲受代金相当額の損害を蒙ることになるが、この損害は右賃借権持分のいわゆる二重売買的な売買取引により発生したもので、もし被控訴人において前記注意義務を怠らなかつたならば免かれえたものであるから被控訴人は右四名の控訴人に対し民法第七〇九条により不法行為責任を負担しなければならない、このような事情の下でなされた被控訴人の本訴請求は少くとも右四名の控訴人に対する部分については自己の非を棚上げしてなされたものであつてこのような権利の行使は民法第一条に違反する違法な権利行使であつて権利の濫用として許されない。

三  被控訴人訴訟代理人の陳述

(一)  原判決事実摘示中、原判決三枚目表一行目(記録四三丁)に「昭和二九年一二月一四日付翌二五日到達」とあるは「昭和二九年一二月二四日付同日到達」に、同丁表六行及び七行目に「昭和二九年一二月二八日限り」とあるは「昭和二九年一二月二七日限り」に、同一〇枚目(記録五〇丁)表四行目以下に「被告会社清算人」とあるは「訴外鳥羽興業株式会社清算人」に各訂正する。

(二)  控訴人鳥羽を除くその余の控訴人四名の前記二の(一)ないし(四)の各主張はいすれも同人等の故意又は過失により時期におくれて提出された防禦方法であつて訴訟の完結を遅延せしめるものと認められるから却下を求める。なお同控訴人等の右主張はいずれもこれを争う。

四  当事者双方の証拠関係〈省略〉

理由

東京都中野区本町六丁目四番地所在宅地三七一坪二合(以下「本件土地」という。)がもと訴外田崎福蔵の所有であり、控訴人鳥羽が昭和二二年一〇月二八日これを普通建物所有の目的、期間一〇ケ年、賃借権の譲渡転貸をすることができる契約で賃借したこと、被控訴人は昭和二七年九月五日右訴外人より本件土地を買受けてその所有権を取得するとともに前記賃貸人の地位を承継し、同年一一月六日右所有権取得登記を経由したこと、本件土地について控訴人等のため、それぞれ被控訴人主張のとおりの賃借権持分取得登記がなされていること、昭和二九年一二月二四日被控訴人が控訴人鳥羽に対し昭和二七年九月五日以降昭和二九年一一月末日までの未払賃料を三日以内に支払うよう催告し右期間内に支払わないときは賃貸借契約を解除する旨の意思表示をしたが控訴人鳥羽は右期間内に支払をしなかつたことは当事者間に争いがない。

控訴人等は、控訴人鳥羽の賃料債務は相殺により消滅したから右解除は無効であると抗弁するけれども、控訴人等主張の相殺の意思表示がなされた時期は昭和二九年一二月二八日又は昭和三二年五月一四日であるところ、控訴人鳥羽の賃料債務不履行を条件とする解除の意思表示が同控訴人に到達したのは昭和二九年一二月二四日であること及びその後所定の三日を経過した同月二七日までに賃料の支払がなかつたことは当事者間に争いがないから、同日の満了を以て賃貸借の解除はその効力を生ずべきであり、それより後になされた相殺の意思表示によつて解除の効力を争うことはできない。

また控訴人等は契約解除が権利濫用に該る旨抗弁するけれども、その前提を成す控訴人等主張の反対債権を認めることができないので、右抗弁は失当である。反対債権の認められない理由については、原判決理由中のこの点の記載部分(原判決一三枚目記録五三丁表五行目より一八枚目記録五八丁表一〇行目まで、たゞし一七枚目裏六行目「第二」を「第三」に訂正する。)を引用する。従つて、控訴人鳥羽に対する被控訴人の本件土地賃貸借契約解除の意思表示により昭和二九年一二月二七日限り同控訴人の本件土地に対する賃借権は消滅したものというべきである。

次に、控訴人鳥羽を除くその余の控訴人等四名の主張する抗弁について、被控訴人は、右控訴人等の当審における新たな主張はいずれも時期におくれて提出された主張であるから却下を求める旨申立てるが、右控訴人等の主張はいずれもすでに提出された証拠により確定しうる事実に基づき判断を要する事項にとゞまり、右主張のためにのみ格別新たな証拠の取調をなす必要もないものと認めるから、右控訴人等の当審における新たな主張はいずれもこれがため訴訟の完結を遅延せしむべきものとは認めがたく、被控訴人の申立は理由がないものとしてこれを却下する。よつて進んで右控訴人等の主張について考察する。右控訴人等が控訴人鳥羽から昭和二二年一〇月頃本件土地賃借権の、譲渡を受けた事実はこれを認めるに足る証拠はない。当審における控訴人林豊田本人尋問の結果中には右事実に符合する部分もみうけられるが、右は右本人尋問の結果中の他の部分及び当審における証人田崎福蔵、同大西敏明の各証言に照らして採用しがたく、却つて右各証拠に当事者間に争いないところの控訴人林、同吉井、同松井、同金山のためにそれぞれ被控訴人主張のとおりの原因で本件土地の賃借権持分取得登記がなされている事実、成立に争いない乙第一九号証並びに弁論の全趣旨を総合すれば、控訴人林は昭和三〇年一二月五日控訴人鳥羽より原判決末尾第一目録(二)記載のとおり本件土地賃借権の持分譲渡を受け、控訴人吉井は同日控訴人鳥羽より同目録(三)記載のとおり本件土地賃借権の持分譲渡を受け、控訴人松井は同日控訴人鳥羽より同目録(四)記載のとおり本件土地賃借権の持分譲渡を受け、控訴人金山は同月二八日控訴人鳥羽より同目録(五)記載のとおり本件土地賃借権の持分譲渡を受け、それぞれ右目録記載のとおり賃借権持分取得登記を了したものである事実が認められる。すなわち控訴人等中鳥羽を除く四名は被控訴人と控訴人鳥羽との間の賃貸借契約が解除され賃借権が消滅した後に控訴人鳥羽より賃借権を譲受けることを契約したものであり、被控訴人において右賃借権の譲渡を異議を留めず承諾したような事実は認められないのであるから、鳥羽を除く控訴人四名はこれにより賃借権を取得することはできない。

右控訴人等は解除による賃借権の消滅は登記がないから右控訴人等に対抗することができないと主張するけれども、賃借権の譲渡に関しては特別の規定が存しない以上指名債権の譲渡に関する規定が適用になるものであることは、賃借権も指名債権の一種であることからして当然である。このことは本件の場合の如く、譲渡転貸につき賃貸人の同意を要せず、且つ、賃借権につき登記が経由されており、右登記の登記事項の一として、右の事項が記載されている場合に付いても同様であるといわなければならない。とすれば、指名債権譲渡の承諾又は通知の効果に関する民法第四六八条第一、二項の規定は、当然賃借権譲渡の場合にも適用され、その結果債務者(賃貸人)が異議を留めずして債権(賃借権)の譲渡を承諾した事実が認められない以上債務者(賃貸人)は、譲渡人に対抗することを得べかりし事由をもつて譲受人に対抗することができるものといわなければならない。ところで、本件の場合被控訴人において本件賃借権の譲渡を異議を留めずして承諾したような事実が認められないことは前記のとおりであり、控訴人等中鳥羽を除いた四名は被控訴人と控訴人鳥羽との間の賃貸借契約が解除され賃借権が消滅した後に控訴人鳥羽より賃借権を譲受けることを契約したものであること前認定のとおりであるから、被控訴人は鳥羽を除く控訴人四名に対し、右の解除を以つて対抗することができるものといわなければならない。

(不動産賃借権はたとえ登記されてもなお債権であり、不動産物権となるものではないから、民法第一七七条は当然には適用されない。登記された不動産賃貸借はその不動産につき後に物権を取得した者に対抗できることは民法第六〇五条により明らかであるが、そのことと民法第一七七条の適用又は準用とは別問題であり、賃借権の得喪変更の第三者に対する対抗については個々の事項毎に別途検討の余地があるとしても、いづれにせよ、被控訴人は、本件賃借権の債務者として民法第四六八条により右賃借権の譲渡人である控訴人鳥羽に対して生じた事由をもつて、右賃借権の譲受人である鳥羽を除く控訴人四名に対抗することができるものといわなければならない、右控訴人四名が民法第五四五条第一項但書の第三者に該当しないことについては多言を要しない。)

控訴人等中鳥羽を除く四名は、仮に賃借権がないとしても転借権があるからこれを被控訴人に対抗できる旨抗弁するところ、成立に争のない乙第一八号証の一ないし四、当審証人田崎福蔵同大西敏明の各証言及び当審における控訴人林豊田本人尋問の結果の一部を総合すれば、昭和二二年末頃から昭和二六年までの間に控訴人林豊田、同松井正勝並びに控訴人吉井寿雄、同金井ハシメの各前主がそれぞれ本件土地の一部各控訴人関係部分を控訴人鳥羽より転借し、その地上に家屋を建築して保存登記を経由し、控訴人吉井、同金山はそれぞれその前主より右転借後間もなくその所有家屋を敷地の転借権とともに譲受け、家屋につき所有権移転登記を経由し、被控訴人が本件土地を取得しその登記を経由した当時には前記控訴人四名はいずれも転借地上に登記済の家屋を所有していたことを認めることができるから、当時は右控訴人四名は建物保護法の規定により転借権者としてその権利を被控訴人にも対抗できる関係に在つたものということができるけれども、転借権者が土地所有者に対しその権利を対抗できるためには転貸人の賃借権が存続していることが前提であり、既に被控訴人と控訴人鳥羽との賃貸借契約が前記のとおり法定解除により消滅した以上事後前記控訴人四名はその転借権を被控訴人に対して主張することはできないものといわなければならない。

控訴人等はなお種々の事情を挙げて本件解除権の行使は信義に反する旨抗争し、当審証人田崎福蔵の証言、同証言により真正に成立したものと認める乙第一五、第一六号証、原審証人張仁泰、当審証人大西敏明の各証言及び当審における控訴人林豊田尋問の結果を総合すれば、控訴人等鳥羽を除く四名が本件土地の転借人であることは被控訴人においても本件解除前夙にこれを知つていたものと認められるけれども、右各証拠を総合すれば、被控訴人は本件土地を買受け賃貸借を承継して後右控訴人等居住者に対し被控訴人が右土地を買受けて新たに所有者となつたことを告げるとともに地代の支払を要求し又それぞれの居住地を転借人等において買受けるように申入れたこともあること、一方控訴人鳥羽においては引続き賃料の取立を継続するので転借人等は直接従来の土地所有者田崎福蔵に事情を確かめ被控訴人が真実右土地を買受けたものであることは確認したけれども、なお関係者間に紛糾が続いているため転借人等より賃料を直接被控訴人に支払うまでの運びには至らなかつたことを認めることができ、鳥羽以外の控訴人四名において鳥羽の支払うべき賃料を被控訴人に提供したとか、被控訴人において予めその受領を拒絶したとかいう事実は証拠上も認められず、これらの諸点を併せ考慮するときは、被控訴人において鳥羽以外の控訴人等に特に連絡することなく賃借人たる控訴人鳥羽に対し賃料の支払を催告しその不払を理由に賃貸借を解除したことを以て、あながち信義に反する無効のものともいい難い。

控訴人等は、被控訴人は賃貸借解除後は善意の第三者が不測の損害を被らないよう解除の結果を公示する方法を講ずべきにかかわらずこれをなさず、善意の第三者たる控訴人等(鳥羽を除く。)に損害を被らしめておきながら右解除を前提として本件請求をなすことは権利の濫用であると抗弁するけれども、被控訴人に右のような公示手段を講ずべき義務あるものとは解し難いのみならず、前認定事情の下においては本件請求を権利濫用に当るものとはとうてい認め難いから、右抗弁も採用できない。

以上のとおり控訴人等の抗弁はいずれも採用できず、本件賃貸借が解除されたことを理由に所有権に基づき控訴人等の賃借権持分取得登記の抹消を求める被控訴人の請求は理由があり、これを認容した原判決は相当であるから、民事訴訟法第三八四条、第九五条、第八九条に従い主文のとおり判決する。

(裁判官 小沢文雄 池田正亮 宇野栄一郎)

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